<この記事は2020/5/6以降更新していません。現在の状況は異なる可能性があります>
新型肺炎に関する情報について、オランダ政府の発表や公共放送の記事などを中心に日々こちらでまとめています。そのスレッドの中から今後何が起こりうるかというシナリオや予測に関する情報を抜き出したのがこのページです。予測は状況により大きく変化するのが常です。このため、最新の情報を元に判断を行なってください。
■社会機能の再開ロードマップ
- 2020/5/6時点の情報
- オランダ政府が新たに発表した措置とロードマップについて日本大使館がまとめている。
https://www.nl.emb-japan.go.jp/files/100052319.pdf
- オランダ政府の英語版資料はこちら。
■ICU患者数の予測
- 2020/5/7時点の情報
この先、社会機能の再開が図られるが、ICU患者数に与える影響は小さいものと見込まれている。資料はRIVMの国会報告より。

- 2020/4/22時点の情報
RIVMが国会に報告した資料によると、この先もICUの患者数は減っていく見込み。

- 2020/4/16時点の情報
RIVMの国会提出資料によるICU患者数の実績(黒い点)と予測図。前回のモデルで予測されていたよりも格段に状況が良くなっている。通常時のベット数とスケールをアップした非常時のベット数の線が引かれているが、通常モードで何とか対応できる範囲内で推移している。

- 2020/4/6時点の情報
オランダのICU患者のピークは4月末となる見込みとの新聞報道。新型肺炎患者と他の患者を含めて2500人規模のICU患者が見込まれている。これはオランダが最大限対応できる患者数に相当するもの。ICU患者数は7月末まで同程度のレベルが見込まれている。仮に6/1に現在の社会的距離などの対策が緩められた場合、ICUの患者数は10,000人に達する見込み。この数字はICUのキャパシティーを大幅に超えたものとなる。
また、民間の専門家グループによる試算によると、社会的距離などのオランダ国内のパンデミック対策は1-2年という単位になる可能性もあるとのこと。欧州各国ではロックダウン(オランダは'インテリジェントロックダウン')の終え方を模索する一方で、ドイツやイギリスの科学者は数ヶ月から1.5年程度対策を継続する必要性を指摘している。
- 2020/4/3時点の情報
RIVMのICU患者数予測モデルの紹介ページにて、国会提出資料では消えていた2020年7月以降のモデル予測の図が公開されている。赤色は対策を取らなかった場合のシナリオ、青色は現在の社会的距離等による対策を行なった場合のもの。青色の実線は最も可能性が高いシナリオ。水色部分はシナリオの振れ幅。

- 2020/4/1時点の情報
保健衛生当局(RIVM)から国会下院に報告されたプレゼンテーション資料(下図)。ICU患者数について最新のモデル計算結果が紹介されている。濃い青色の線が最もリアリスティックなシナリオ。予測の振れ幅が大きいが、早ければこの先4月下旬から5月上旬にICU患者のピークを迎える可能性が見て取れるとともに、通常モードのICUの床数に戻るのは7月中旬であることがわかる(上の図)。下の図は新規のICU患者数の予測。こちらのピークは4月上旬か、遅くても5月中旬ごろか。いずれも社会的距離等の措置が機能していることが前提であり、警戒が緩めばすぐに罹患者数やICU患者数が増加するとRIVMは念を押している。


- 2020/3/30時点の情報
全国のICU床数を4/5までに2400にするように調整が進められている。この数を超える患者が発生する場合には危機フェーズ(フェーズ3)として延命の可能性が低い患者のICU受け入れが見送られる可能性が出てくる。
https://nos.nl/artikel/2328827-ic-arts-gommers-binnen-een-week-2400-bedden-gereed.html
- 2020/3/29時点の2つの情報
(1) 保健衛生当局(RIVM)による社会的隔離策の評価が出される。予想よりも効果が芳しくないことが判明。ICU患者数の楽観シナリオは破棄され、4月中旬には2500人ほどのICU患者が見込まれる可能性が高い(=国内のICUのベット数をはるかに上回る数字)。ICUに入った患者の治療期間は10日の想定から23日間の想定に切り替えられたことから、ICU患者数の伸びにつながったことと、直近のICU患者の伸び率が高かったことなどが楽観シナリオ破棄の背景にある。
(2) 下図は保健衛生当局(RIVM)によるオランダ国内のICU患者予測。青の部分が対策をとった場合で、人々がルールどおりに行動するか否かで上下に振れ幅がある。赤の部分は未対策の場合。青のシナリオであれ赤のシナリオであれ、オランダのICUのキャパシティーを4月の段階で超えることは共通。対策がうまくいった場合のひとまずのピークは4月中旬で想定されているが、ICUのベット数を超える状況はこの予測では最長の場合で7月ごろまで続く可能性が図から見て取れる。なお、現時点でこの予測よりも状況は悪くなると判明(上の(1)の記事参照)。RIVMの新たな予測では4月中旬には2500人ほどのICU患者が見込まれている。そのシナリオでどの程度の期間、ICUのベット数を超えた状態が継続する見込みなのかは現時点で不明。なお、全国のICU病棟の連合体では別の見立てを持っており、ICU患者のピークを5月末に置いている(新型肺炎患者で1700名、通常の病気・怪我等のICU患者500名の合計2200名規模)。いずれの場合もこの先が一つの山となりそうだ。

■オランダ経済への影響見通し
- 2020/4/14時点の情報
IMF(国際通貨基金)はオランダの2020年のGDPが7.5%のマイナス成長になるとの予測を公表。

- 2020/4/6時点の情報
現在行われている各種規制の段階的緩和のために、政府と各産業セクターは「1.5メートルエコノミー」(社会的距離と経済を両立させる方法)像について協議中。
https://nos.nl/artikel/2329616-sectoren-maken-plannen-voor-anderhalve-meter-economie.html
-2020/3/26時点の情報
オランダの経済分析を行う当局が新型肺炎の影響により社会活動が制限される期間などに応じた経済への見込みを発表。条件を変えた4つの想定(シナリオ)を提示。いずれもマイナス成長が予測されている。現在の完全失業率は2.9%だが、失業率も増大していく見込み。

- 2020/3/3時点の情報
オランダの経済成長について政府機関(CPB)から発表あり。新型肺炎による小規模な影響を加味した予測では2020年は1.4%、2021年は1.6%の成長。新型肺炎がコントロールできず経済に大きな混乱が起こる場合には2020年は0.9%、2021年は1.3%の成長に止まるとの見立て。
(政府機関)
https://www.cpb.nl/raming-3mrt2020-cep-2020-mlt#
(関連記事)

■新型肺炎感染者数の総数に関する予測情報
- 2020/3/14時点の情報
(ご注意)
・更新は不定期で速報性はありません。
・日付は全てオランダ現地時間です。
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・予測の当たり外れに関する責任はJN Connectでは負いかねます。自らの責任で情報をご覧ください。